
中学時代に脊髄損傷の方の講演を聞き、回復を支える理学療法士を志した青木さん。実践的な対面授業と厳しい環境で自分を磨ける点に魅力を感じ、東京医療学院への進学を決めました。
3年制コース 卒業生
総合病院勤務(2026年3月現在)
青木海 さん


──青木さんが理学療法士を目指したきっかけについて教えていただけますか?
中学生の時に、全校生徒を対象にした講演会が行われたことがありました。そのときに来てくださったのが、脊髄損傷で下半身麻痺になった方です。その方のお話を聞いて、障害を受け入れて前向きに過ごされている姿を見て、「こういう人たちの支えになれるような仕事ができたらいいな」という想いが芽生えました。
もともと母親が看護師だったこともあり、将来は漠然と自分も医療系の仕事に就きたいと思っていたのですが、この講演会を境に、病気や障害をもつ方とともに回復を目指し支えることができる仕事について具体的に調べたところ、理学療法士の存在を知ったことで目指すようになりました。

──理学療法士を養成する学校のなかから、青木さんが専門学校東京医療学院を選んだ決め手を教えてください。
いざ進学先を考えるようになった高校3年生のときは2022年でした。まだまだコロナウイルスの流行真っ只中で、対面ではなくリモート授業を行っている学校も多く、大学への進学も悩んでいました。ただ、自由度の高い大学の場合は私自身が楽な方へ流されてしまうかもしれないという不安もあったので、あえて厳しい環境のなかに身を放り込んだ方がいいと思いました。それに専門学校東京医療学院は、感染対策をしたうえでしっかり対面で実技やグループワークを実施してくれると聞いたので、実践的に学べる環境だと感じて最終的に選びました。3年制、4年制での検討というよりも、私にとってはその部分をとても重視していました。また、少人数制で質問しやすく、一人ひとりに丁寧に向き合ってもらえる点にも魅力を感じました。

──3年間の学生生活を振り返って、苦労したことを教えてください。その際、先生方はどう接してくれましたか?
勉強はもちろんですが、それ以外だと実習が一番大変でしたね。整形外科のクリニックも行きましたし、総合病院も行きました。実習先が家から遠く、朝起きるのも大変で、遅くに帰宅しても課題があるのでそれをしなきゃいけないし……。体力的にも精神的にも疲弊する毎日でしたが、それでも実習中であっても担任の先生が「あとちょっとだよ」とグループLINEで励ましてくださって、それを見て「自分には戻ってくる場所があるんだ」と思えて、頑張れる理由になっていました。もちろんクラスメイトとも励ましあいながら。しんどいのは自分だけじゃないと感じながら、そうやって目標に向かって進んでいけることは、少人数制のメリットだと思いました。
実際の実習では、現場の厳しさを強く感じました。責任感の重さや自分の知識、技術の不足を実感する場面も多かったです。ですが、入職した今になって振り返ってみると、あの経験があったからこそ多少大変なことがあっても乗り越えられていると感じています。
──先ほど実習中に先生から励ましていただいたお話がありました。それ以外に青木さんと先生のエピソードがあれば教えてください。
入学後、学費の問題で進級に悩んでいたことがありました。アルバイトして工面したお金で学費を払っていたのですが、「ちょっとこれは無理だ……」という限界に達してしまって。その時に担任の先生が奨学金制度について丁寧に教えてくださったことが印象に残っています。その制度を利用しながら、それでもアルバイトを多いときは3つかけもちしていて体力的にもかなり大変だった時期も、私の状況を理解して支えてくださったことは今でも心に残っています。それ以外だと、やはり国家試験の勉強中に支えていただいたことですね。先生方が親身になって一緒に考えて下さり、わからないところを丁寧に教えてくださったことが合格につながったと思います。

──反対に、学生時代に楽しかったことはなんですか?
やっぱり、クラスメイトと過ごした時間ですね。思い返してみてもそれが一番楽しかったです。学校が終わったあとや、休みの日も遊びに行ったり。みんなそれぞれの場所で奮闘しているいまも定期的に連絡を取って会ったりするほど、一生ものの友達と出会えたことが学校生活の中での大きな思い出です。私にとってクラスメイトは、辛い時でも前を向く力をくれる存在でした。実習中や国家試験の勉強中など大変なこともクラスのみんなと一緒だと思えたからこそ、最後まで頑張れたと思います。国家試験前もクラスメイトと問題を出しあったりして一緒に勉強を続けていけました。合格発表があったあとはみんなで祝杯をあげてたくさんお酒を飲んだこともいい思い出になっています。

──青木さんの就職活動について教えてください。今の病院に就職を決めたのは、なにが決め手だったのでしょうか?
私が入職したのは、急性期から回復期まで幅広く経験できる総合病院です。急性期から回復期まで幅広く経験できるという点に魅力を感じたのも理由の一つですし、訪問リハビリや通所リハビリも行っているため、入院中だけでなく退院後も患者さんの生活に関わることができるということを聞いて選びました。就活は、学校の先生方が見学先の相談や面接対策までしっかりサポートしてくださったおかげで、比較的スムーズに進めることができました。
──現在の職場でのお仕事について聞かせてください。現在、青木さんはどのような業務を担当されていますか?
私は現在、回復期病棟を担当させていただいています。整形疾患や脳疾患などさまざまな疾患の患者さんのリハビリを行いながら、御家族や他職種と相談し、退院後の生活を見据えた退院調整にも関わっています。もうすぐ入職して1年が経過しますが、無我夢中で毎日の仕事に取り組んできました。慣れることに一生懸命で、あっという間に時間が過ぎ去っていきましたね。介助量が多い患者さんもいらっしゃるので、その場合は肉体的負担も大きくなります。そんなときは職場の先輩方のアドバイスに助けていただきました。
──この1年、さまざまな経験をされてきたと思います。青木さんが一番「やりがい」を感じた瞬間について教えてください。
入院された最初の頃は、それまでできていたことができなくなって心が落ちてしまう患者さんが多いのですが、一緒に回復を目指してリハビリをしていくなかで、実際に成果が現れたときに一緒に喜べたり、入院当初は笑顔も浮かべることさえなかった方が徐々に笑顔を見せてくれたりすると、理学療法士としてのやりがいを感じます。
もともと理学療法士を目指したきっかけになったのが、中学時代に脊髄損傷の人のお話を聞いたことだったので、ゆくゆくはそういう方々のサポートをさせていただける領域に進めたらいいと考えています。総合病院に入職を決めたのも、さまざまな領域で経験を積むことができるからですし、まず最初は整形外科の疾患を見れるようになってから、専門的な方に行けたらいいなと思っています。今は歩行リハビリの際にロボットリハビリテーションも導入していますので、この先もっとテクノロジーの力でリハビリが変化していくはずです。その過渡期に仕事をはじめられたと言えるかもしれません。