こんにちは!
昼間部3年制コース、専任教員の金井です。
当校の専任教員は、全員週に1回、病院等の臨床現場にて研修活動の一環で理学療法を行っています!
私、金井は専門が「地域理学療法」ということもあり、病院ではなく、中央区内の高齢者通いの場にてフィールド・ワークおよび研究活動を行っています。
高齢者通いの場とは、各自治体により多少の違いはありますが、65歳以上の高齢者を対象に、歩いて通える範囲に気楽に集まれる通いの場を展開し、体操や筋トレを行ったり、近所の人たちと交流することで、健康寿命を延ばし、社会的に孤独な状態にならないように予防する目的があります。
全国各地でのこのような取り組みにより、通いの場に参加している高齢者は要介護状態になりにくいことが科学的に実証されており、今後はますます理学療法士のこの分野への参加が求められている分野です。
参考:JAGES「通いの場への参加による介護予防の効果」⇒
https://www.jages.net/jichitai/salon/kayoi/
私が通いの場を運営している中央区は、東京オリンピックの選手村跡地が有名ですが、タワーマンションが立ち並び、毎年新たに区外から世帯が転入してくる、全国的にも珍しい人口増加地域です。
働き盛り世代が多いのですが、地方から上京して中央区に永く住み、地方にいる高齢の親を子世帯が中央区に呼んで新しく同居を始める方も多いです。
そのため、呼ばれた高齢の親は、今までの近所づきあいがリセットされてしまい、まったく知らない土地で暮らさなければなりません。
ただでさえ、東京はご近所づきあいが少ない土地柄です。日中は子世帯は仕事や学校に出てしまい、親は眺めのいいマンションで孤独になりやすいのです。
そこで必要になるのが「通いの場」。
私が中央区内の理学療法士仲間たちと一緒に運営している通いの場では、体操がメインではなく、「ご近所同士のつながりをつくる」ことを重視した通いの場です。
通いの場を始めた当初は、身体の専門家である理学療法士の特性を活かして、体操や筋トレや健康になるためのお話などのコンテンツを重視した通いの場を行っていました。ご近所づきあいは参加者同士で、自然に育まれていくだろう、と思っていました。
しかしそう簡単にはいきませんでした。
参加者さんたちは、理学療法士という専門職が運営する通いの場、というフレコミに釣られて、スポーツジムのような感覚で参加する方が多く、みんな姿勢を正して椅子に座り、次の体操の指導を待っており、空いた時間にお隣さんと交流しようとする様子は生まれませんでした。
そこで、翌年以降は、当校に入学した1年生にも実施している、他者への信頼を高めるゲーム「プロジェクト・アドベンチャー」を始めました。
それによって、翌年以降は今までがウソのように、参加者同士の世間話しに花が咲くようになり、参加者同士で別の日に出かけるようになったり、ランチを一緒にするようになったり、近所のスーパーで偶然会ったときにお互い名前が思い出せなくても挨拶するようになったり、ご近所同士のつながりがたくさん生まれるようになりました。
最近の通いの場の様子
ご近所のつながりが生まれた通いの場の動画がこちら⇒
https://www.youtube.com/watch?v=Wd1pxxNcE-c&list=PL3plqxA0Mh5yi7Iu-tGNCKDQCJtYhk2Ca&index=286
通いの場が健康に良い影響を与えることは分かってきましたが、地域にはいろんな特色や課題があります。
それぞれの地域の特色に合わせて、それに合ったプログラムを開発し、効果を実証する。
そのようなプロセスは、自治体担当者や地域住民だけで解決できることではなく、まさに理学療法士が関わることで実現できることなのです!
専門学校東京医療学院は、そのようなフィールド・ワークを行っている珍しい学校です。
次世代に活躍する理学療法士になりたい方は、ぜひ当校で学んでいただけたらと思います。
みなさんの新しいアイデアをぜひ通いの場に活かしてもらいたいです!
読んでいただきありがとうございました。
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