
お姉さんも東京医療学院の卒業生で理学療法士の上野咲花さん。入職して1年が経過したタイミングで、改めて3年間の学校生活のこと、理学療法士の仕事のやりがいについて語っていただきました。
3年制コース 卒業生
整形外科勤務(2026年5月現在)
上野咲花 さん


──上野さんが理学療法士を目指したきっかけについて教えていただけますか?
もともと、私は人の人生であったり生活を支えるような仕事に就きたいという想いを抱いていました。なかでもドラマや映画を通して知った医療に関する仕事は、まさにその筆頭でした。当初は憧れのように抱いていた想いが確信へと変わったのは中学2年生のときのことです。私はずっとバスケットボールをやっていて、念願かなって試合のメンバーに入った矢先、試合中のコンタクトが原因で足首の前距腓靭帯断裂の怪我をしてしまいました。わかりやすく言うと、靭帯が完全に切れている重度の捻挫(Ⅲ度)になります。歩けないくらい痛いし、「この先またバスケができるようになるのか」「早く直さないとメンバーにまた入れてもらえないんじゃないか」と不安に苛まれてメンタル面もどん底にいたのを支えてくれたのが、リハビリを担当してくださった理学療法士の方でした。
私自身、日常生活で弱音を吐くタイプではないのですが、「本当に無理」「痛くてできない」とか親にも言えなかったようなことを理学療法士の方にぶつけてしまったことがありました。その方はとても明るくて、「大丈夫! いけるよ!」と私が楽観的になれるような言葉をいつもかけてくれて。それが自分にとっても心の支えになりました。気づいたら「私、まだ(バスケが)できるかも」という気持ちになっていて、2ヶ月後には練習復帰ができて、その翌月には試合に出場することができました。
自分が実際に支えていただいた経験はとても大きかったですね。「こんなに誰かを支えることができる職業って、なんてかっこいいんだろう」って。私も理学療法士になりたいと思ったきっかけになりました。
──理学療法士を養成する学校のなかから、上野さんが専門学校東京医療学院を選んだ決め手を教えてください。
実は、9歳年上の姉が専門学校東京医療学院の卒業生なんです。姉は医療秘書の専門学校に通うために山形から東京に出てきたのですが、その途中で理学療法士を目指すことに切り替えたようで、そこから専門学校東京医療学院を選んで入学しました。
私の方が理学療法士を目指したのは早かったのは間違いないんですが(笑)、結果的に姉から学校のことを色々聞いて、私もこの学校を選びました。自分の目で確かめるために、大学も含めていくつかの学校のオープンキャンパスに参加しました。仙台、地元の山形、そして東京と。それでも「何か違うかも」という印象はぬぐえず。やっぱり自分が一番信頼できる人の言葉の力はとても大きかったですね。ちょうどコロナ禍だったこともあり、オープンキャンパスもZoomでの開催という学校も多く、それだけだとどうしても判断するための情報量が足りなかったというのは否めないです。

──3年間の学生生活を振り返って、いかがでしたか?
3年制ですので、勉強はもちろん覚えないといけないことが多いですし、長期実習も心が折れそうになったこともありましたけれど、やっぱりクラスメイトと過ごした時間が楽しすぎて、振り返ってみるとそこまで大変だったという記憶は少ないかもしれません。卒業し、それぞれの道を歩み始めた今もみんなで年に1回は集まる機会があるのですが、そんなかけがえのないクラスメイトと出会えたことが一番大きかったと思います。
入学前には、勉強会だけでなく交流会も設けられているのですが、参加者同士でグループワークなどを行ってクラスメイトと打ち解けることができます。そのタイミングから、結構いろんなことを喋ったりしていましたね。
──実際、3年制だと勉強量が多くて大変だったとは思いますが、振り返ってみて率直にいかがでしたか?
やっぱり覚えなくてはいけない量が尋常じゃなかったなと思います。入学当初は、理学療法士は筋肉や骨の部位、怪我の種類などを主軸に勉強していくのかと思いきや、具体的な病気や症例、運動学についても学んでいきました。「なにこの難しい授業」と思ったことは一度や二度ではありませんが、自分がなりたい職業だからこそ興味がある内容でしたので、意外と頑張ることができました。

──時間も限られているなかで、上野さんは国家試験対策の勉強面ではどういった工夫をされていましたか?
授業をしっかり聞いて、わからないところは先生に聞いて解決するというインプット中心のアプローチだけでなく、アウトプットにも力を注ぎました。ノートに書くというやり方も大事なアウトプットのひとつですが、私たちは模擬授業を取り入れていましたね。
クラスメイト数人と勉強をする際に、「今日は〇〇が先生役になって私たちに腎臓の生理学を教えてね」という具合に、実際にホワイトボードを使って授業をするんです。もちろん交代制でそれぞれが先生役を務めます。自分の言葉で教えるわけですから、これが自分自身が覚えた内容をさらに深く定着させることができましたし、わからないと感じていたところも、学生から教えてもらうことで意外と理解が進んだりしました。あるテーマの内容を人に教えるとなると、さらに理解を深めるために勉強しますし。先生とは別の角度から教えてもらえるということも功を奏したのだと思います。
勉強量が多い3年制だからこそ、いかに効率的に自分の中に学んだことを定着させて知識を得られるか、ということが大切であると感じました
──東京医療学院の学生は「先生との距離の近さ」に魅力に感じています。先生との関わりは実際いかがでしたか?サポート体制万全でしたか?
先生との距離の近さについては、卒業生の姉からも聞いていました。「結構質問しやすいし、フレンドリーな先生ばかりだからやりやすいと思うよ」と。その言葉は、まさに私にとって学校選びの決め手となった部分でもありますし、実際に3年間を過ごしてみて思うことは、「姉からかけられたのと同じ言葉をいままさに学校選びに迷っている方にかけてあげたい」ということですね。
国家試験勉強のときでも、私がつまずいてしまった問題について質問すると、本当に1が10になって返ってきたりしてとても頼もしかったですし、本当に親身になって寄り添ってくれるところも支えになりました。あとは、女の先生が担任をしてくださったのですが、他愛もない会話やプライベートな相談にものってくれるところも私は好きでしたね。

──ここからは入職後のお話について伺いたいと思います。上野さんは入職先はどのように決められたのでしょうか?
3年生の第2期(8月〜10月頃)の長期実習で行った実習先に入職しました。私はもともと整形外科クリニックに興味があって、いろいろとクリニックを自分なりに探していたときに、タイミングよく実習先が整形で。2ヶ月に渡って実習するなかで、病院の雰囲気や理学療法士の方々と患者さんのやりとりや、そこで生まれている信頼関係を見て、「ここは私とすごく合っているんじゃないか」と思えたからです。
私の勤務先は、理学療法士の方、作業療法士の方、患者さんまで、皆さんすごく明るくて。患者さんともたくさん会話をするから、病室がにぎやかなんですよね。その点にも惹かれました。患者さんも、最初は痛みがあって不安で来院される方が大半なのですが、理学療法士の方が明るいから、最後には「リハビリ頑張ろうかな」という感じで笑顔で帰っていかれるんです。実習の際にそれを見ていて素敵だなと思いましたし、「私もこういう理学療法士になれたらいいな」と思えたので、入職を決めました。
──上野さんが入職され、理学療法士として働きはじめててから1年強が経過しました。現場での経験を振り返ってみていかがでしょうか?
いまは1日に11人ほど担当させていただいていて、それが週5日から6日となるとおおよそ60人くらいの方を診ることになります。一番下は20代、一番上は92歳と世代もバラバラ。それだけの方のケアを行うためには、やっぱり膨大な知識量が必要になってくると感じています。なによりも患者さん一人ひとりで、身体の状態はもちろん、不安に感じる内容や生活背景もすべてが異なっているということを強く感じた1年でした。学生だった頃は、「機能を改善すること」に意識が向いていましたが、実際に現場でリハビリに携わったことで「その方らしい生活を支えること」の大切さを学ぶことができました。

──上野さんが一番「やりがい」を感じた瞬間について教えてください。
はじめてクリニックに来院された方は、どうしても痛みが強かったり、歩けない、生活ができないというケースが多いです。2つの杖がないと歩けない状態で、リハビリにも消極的だった患者さんが、続けていくうちに徐々に私に対しても心を開いてくださり、結果的に歩けるようになるところまで回復することができました。リハビリを終了される際に「ここまで歩けるようになるとは思わなかった。歩けるようになって嬉しい」と声をかけてくださいました。その患者さんが、私にとって最初にリハビリを卒業された方だったので、余計に思い入れも深いのだと思います。自分の関りが患者さんの前向きな気持ちにつながったことに大きなやりがいを感じました。
──現場に出てから「専門学校東京医療学院でよかった!」と感じるようなことはありましたか?
クラスメイトのみんなが明るくて、喋る機会も多かったりしたので、そういうコミュニケーション能力が自然と身についていったと思いますし、実技やグループワークの時間の多さは、患者さんへのリハビリにも活かされていると感じます。やっぱり、専門学院東京医療学院に通ったからこそ、患者さんとのコミュニケーションや報告・相談の大切さを自然と身につけられていたと感じていますし、「私らしい患者さんとの関わり方」が1年目からできているのではないかなと思います。

──上野さんが目指す理学療法士像や将来の目標を教えてください。
私はいま整形外科に勤めているのですが、訪問リハビリにも行かせていただいています。そこでは、病院での機能改善だけでなく、実際の生活のなかで「その人らしく生活すること」を支える大切さを実感しています。将来的には、整形外科では痛みや身体機能の改善について専門性を高め、介護保険領域では生活環境や在宅での支援についても学び、どちらの領域でも活躍し、患者さんを長期的に支えることができる理学療法士になりたいと思っています。今後も知識と技術を磨きながら、一人ひとりに寄り添える理学療法士を目指していきます。